人口減少する日本 その原因を分かり易く解説

前回の記事では人口減少している日本の現状と今なにをすべきか?についてお伝えしました。今回はその続編となり「なぜ人口が減るのか?」について考えてみたいと思います。

この記事は日本が抱える大きな課題である「人口減少問題」について、その深刻さを多くの方に知ってもらい、将来に向けての構えをとって頂くことを目的としています。

結婚をしない女性/男性が増えた理由

現在の日本の人口は2010年をピークに減り続けており、2050年代には1億人を下回ります。
既に様々なメディアで取り上げられていますが、これは結婚をしない女性/男性が増えたことが主要因であることが分かっています。

出展:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2015年版)」

未婚率は1990年以降から年々増加し始め、2020年時点、男性では4人に1人、女性では6人に1人が結婚しない時代になりました。昔は35歳を過ぎても独身だったりすると、ご近所から変人扱いされるような後ろめたい気持ちになったものですが(私もその一人でした)、現在は(良くも悪くも)独身でいることが「ごく普通」の社会になったんです。

次に結婚しなくなった主な理由を層別してみます。

  1. したくても出来ない
    ①経済的な理由で結婚できない
    ②理想の相手にめぐり合わない
  2. 結婚する気(必要)が無い
    ③女性の自立
    ④自由が奪われる

かなり大雑把な層別ですのでこれ以外にも様々な理由はありますが、私が注目しているのは①と④であり、この超シンプルな層別で事足りるわけです。
未婚率の増加を語る上でたびたび耳にする「経済的に結婚できない」という理由、及び「結婚によって自由が奪われる」という考え。この2つは現在の日本を象徴している問題であり社会現象ではないかと私は考えています。

経済的な理由で結婚できない

現在、未婚率が増加している最も大きな理由が経済的理由だと言われています。年収別の結婚率グラフを見てもそれは明らかであり、年収300万円を境にして結婚率に差があることが分かります。

出典:労働政策研究・研修機構「若者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状」(2014年)

そして次に年齢別の平均年収を記載します。

出展: 国税庁「民間給与実態統計」

このグラフは学歴も雇用形態も全てひっくるめた平均値ですので、かなりのバラつきを持っていますが、年齢が低いほど年収も低く、結婚適齢期と呼ばれる35歳以下では年収300万円に満たない方がかなりの数で存在すると言えます。
日本は世界第3位のGDPを誇る経済大国で、先進国の中でも裕福なはずなのに、この状況は変だと感じている方がいるかもしれません。確かに昔はそうでした。海外旅行に行ってブランド品を爆買いするのは日本人の専売特許だった時代もあります。(現在はその座を中国人に奪われました)
今は先進国の中でも賃金は最低クラスで、最低賃金は韓国やスペインよりも低水準。世界における日本は「そこそこ貧しい国」になってしまっているのが実態です。

次に年齢別の貯蓄額を記載します。

確かに60歳以上の高齢者はある程度の貯蓄を持っていらっしゃる。「日本は裕福なはず」という意見も間違ってはいません。
ここまでの状況で言えることは、現在の日本は60歳以上の方が大事に貯金をされており、それが消費されていない、よって若い方には回ってこない。これが年功序列で成り立つ日本社会の実態です。
アベノミクスで株価だけ上がっても、実経済はちっとも回復しない。失われた10年、20年、いや30年もの長い景気低迷が続き、国の借金は雪だるま式に増え続け、若者の給料は上がらずに結婚もできない。その結果、人口減少を招くという負のスパイラルに陥ってしまいました。未婚率の増加という若者の問題を解決するためにはお年寄りの消費喚起がポイントになります。いかにお年寄りに安心してお金を使ってもらい、楽しい余生を過ごしてもらうか。 少子高齢化と景気低迷にあえぐ日本の救世主となるのは「お年寄り」しかいないんです。

結婚によって自由が奪われる?

最近、鬼嫁自慢をする芸能人をよく見ます。幸せ自慢はバッシングの対象になりますので、笑いのネタとして鬼嫁を利用するのは大いに結構なんですが、お笑いの世界だけのネタだったはずが、世間一般にも蔓延している気がします。「子供が出来たとたんに嫁が変わってしまった」とか「結婚は人生の墓場だ」とか。結婚相手が見つからない独身者に対するリップサービスだったとしても、ややその度が過ぎていないでしょうか? それを本気で信じ「ネガティブイメージ」が植えつけられてしまう独身者も中にはいると思われ、それが原因で婚期を逃してしまったら本当に不幸です。
既婚男性の皆さん、もっと結婚の良さをアピールしていきませんか? 結婚によってどれだけ人間として成長できたか? 相手の気持ちを考えるようになったか? 感情のコントロールが上手くなったか? こんなこと言うとハラスメントになるのでここだけの話ですが、人間としての成熟度を測定する機械があったとしたら絶対に既婚者のほうが上です。
前回「えんとつ町プペルの記事」にも記載していますが、(物事の)ネガティブな面にばかりフォーカスするのではなく、もっとポジティブな部分に目を向けるべきです。
間違いなく言えることは、私にとって「結婚が人生のスタート」です。(それまでの年月は準備運動でした)

まとめ

未婚率増加の要因となっている「経済性」という実態の部分と「ネガティブイメージ」という感情の部分、この両面から現在の日本が抱える問題の「原因」を考えてみました。原因が分かればおのずと解決策が見えてくるはず。
「人口減少超高齢化」は世界に先がけ日本がトップランナーです。
我々日本人がお手本を示していきましょう!

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