最近息子に「将来なんになりたい?」とたずねると「宇宙飛行士!」と答えるようになりました。今年の春ごろ「宇宙兄弟」というテレビアニメ(全99話)を親子で制覇したことの影響かとは思いますが、このとてつもなく大きな夢を親としては応援していこうと思います。
日本人宇宙飛行士の星出さんは国際宇宙ステーション(ISS)に船長として半年間滞在されましたし、大企業の社長さんも次々と宇宙に出かけている時代です。決して不可能な夢ではないと思っています。
今回は前回の記事「脱CO2とは?」の続編にあたり、少し世間とは視点を変えた地球温暖化対策のご提案をしてみたいと思います。
地球温暖化のメカニズム
地球温暖化について考える上で、そのメカニズムを知ることは第一歩です。
そこで下図をご覧ください。
地球は太陽から熱を受け取っています。これを「①入射」と呼びます。そして受け取った熱を宇宙空間に反射もしています。これを「②放射」と呼びます。地球の温度というのはこの①入射と②放射の差で決まっており、だいたい±40℃以内に収まってバランスしています。
一方、地球のすぐそばにある天体「月」も同じように太陽から熱を受け取り、反射しているわけですが、月の真昼の温度はなんと110℃、夜の温度はー170℃と非常に温度差が大きい。この月と地球の違いはなんなのか?
地球にあって月にないもの、そうです「大気」です。大気中には雲やガスが存在しており、これらが入射と放射をやわらげる緩衝材の働きをすることで、昼と夜の温度差を小さくしてくれているんです。今、世界中で話題になっている「温室効果ガス」もその一つ。地球が超低温になることを防いでくれる毛布のようなとても重要な役割りなんですね。
最近は温室効果ガスが多くなりすぎており、地球が少し熱くなってきた。そのレベルは平均気温でおよそ0.85℃。だから私たちは温室効果ガス(フロン、メタン、CO2など)を減らし、宇宙空間への放射を増やして地球を冷まそうとしている。つまり、冬から春になってきたから、もう毛布は不要になってきた。これが地球温暖化の超簡単なメカニズムですね。
放射のみのコントロールでは不十分
上述のメカニズムでお気づきかと思いますが、地球の温度を決める要素(パラメーター)は大きく2つ、①入射と②放射です。しかし今、人類は②放射のみをコントロールしようとしている。
前回の記事「脱CO2とは?」の中で、地球は10万年ごとに氷河期と温暖期を繰り返していて、その温度変化は太陽活動に影響を受けている可能性がある、と記載しましたが、地球の温暖化を本気で防ぎたいのであれば、②放射のみをコントロールだけでは不十分どころか、ほとんど効果が無いかもしれません。遠い未来には氷河期が訪れ、逆に地球を暖めなくてはならない日が来る可能性もあります。そんな事態に備えて②放射のみをコントロールするのではなく、なんとかして①入射も制御できたら素晴らしいと思いませんか?
例えば真夏の直射日光が降り注ぐ南向きの室内で、熱がこもってとても暑い。窓を開けてもさほど涼しくならない。そんな時どうします? まずは室内側にカーテンかブラインドを取り付け、そして屋外には簾(すだれ)を設置しますよね?
地球に簾を取り付けよう
そこで私が提案するのが「地球に簾を取り付けよう作戦」です。そしてその簾を「宇宙太陽光パネル」で作ってしまおう、というもの。地球が熱くなってきたら正面から光を遮り、逆に寒くなってきたら位置をずらして反射により入射光を増幅させる。発電したエネルギーは併設した宇宙コロニーで使用し、余った分を地球に無線送電する。
夢のような話に聞こえるかもしれませんが、宇宙太陽光パネルは実証実験が進められています。(読売新聞様の記事リンク)
また①入射を制御する取組みはMEITEC様のサイトに記載されています。
私のアイデアはこの2つの組み合わせにすぎません(笑)
メガソーラーはエコじゃない
話は少しそれますが、今、世界中が脱CO2を推進する中で、太陽光発電を増やそうとしています。これまでの火力発電から置き換えるわけですから住宅の屋根に設置する程度では当然不十分。広大な敷地にパネルを設置する必要があります。いわゆる「メガソーラー」ですね。私の家の近所にも数ヵ所存在しますが、緩やかな山の斜面を切り開いて大量のソーラーパネルが並んでいます。政府の固定買取制度(FIT)がその後押しをしており、この10年で急増しました。しかしちょっと待って下さい!その場所には元々CO2を吸収してくれる森林があったんですよ。そこで暮らす動植物もいたはずです。それらを犠牲にして得たエネルギーを本当にエコだと呼べますか? 更に私が問題視するのは太陽光発電の稼働率の低さです。もちろん夜は仕事をしておらず、雨や曇りでも発電しません。その稼働率はなんと13%という低さ。住宅の屋根程度なら我慢できますが、メガソーラー推進に私の税金を使うのは勘弁して下さい。
夢は実現できる
話を元に戻しますが、太陽光パネルというのは雲も塵もない宇宙空間でこそ本来の力を発揮するんです。そしてどうせならそれを簾代わりに使ってしまおうという、まぁ突拍子もないアイデアです(笑)簾の役目を果たすためには人工衛星のように地球を周回(公転)するのではなく、太陽と地球の間に常に介在している必要があります。数キロ四方に広げた太陽光パネルを隕石の衝突から守ることも重要です。とんでもない技術革新と投資が必要なわけですが、脱CO2に向け世界中が莫大な費用を捻出しようとしている今だから、かすかな望みを宇宙に託すのも面白いのではないでしょうか?
「夢は実現できる」これは日本人宇宙飛行士 星出さんのミッションキャッチコピー(出展:JAXA)
星出さん自身、何度も失敗しながら夢を実現させてこられました。
この言葉を息子にも伝えていこうと思います。
将来宇宙飛行士となった息子が「地球に簾を取り付けよう作戦」に参加し、全人類を救ってくれる日がくるかもしれません。
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