給食費の未払いはなぜ起こるのか?

私の息子は幼い頃より食が細く、好き嫌いも多いことが悩みのたねでもありました。それが学校給食を食べるようになってからまだ1年も経ってませんが、今ではほぼなんでも食べられるようになったんですから給食には感謝しかありません。これは私の個人的考えですが、この学校給食という制度が日本人のチームワークの原点になっている気がしています。給食当番が役割を分担して共同作業を行い、皆で同じ釜の飯を食う。世界に誇れる教育制度ではないでしょうか。

給食費未払いが増加傾向

そんなすばらしい学校給食ですが、多くの自治体で費用の未払いが増加しているという話を聞きます。NHK料金の未払い問題などは裁判で争われるケースもありますが、給食費は子供が対象ですからそんな争いにはなってほしくないですね。ひと昔前までの給食費というのは「強制しなくても当然払うもの」といういかにも日本的な考えのもとに成り立っていたのではないでしょうか。いわゆる性善説というやつです。「給食を食べておいて払わないなんて、それじゃあ食い逃げと一緒だ」これがひと昔前に大半を占めた意見だったかと思います。しかし今は多様性を認める時代、払わない側の言い分もしっかり聞くことから始めるべきです。

給食費未払い理由の層別

様々な未払い問題の資料を見る限り、以下4つの理由に層別できるかと思われます。

  1. 経済的理由のため支払う余裕がない
  2. 支払う必要がないとの主張「義務教育なんだから無料にすべき」
  3. 支払う必要がないとの主張「強制された給食に対して支払う義務はない」
  4. 上記の2、3に相乗りして「まじめに払うと損」という考え

1.「経済的理由」については今回の本題ではないため言及を避けますが、就学援助という制度も存在しています。
2.「義務教育なんだから無料にすべき」という考えには120%賛成です。中途半端に授業料と教材費だけ無償にするなんて個人的には制度の欠陥だと思っています。近い将来は完全無償化になっていくでしょう。しかしだからと言って今払わなくていい理由にはなりません。それはまるで「選挙権が18歳から与えられたんだからお酒も18歳から飲みます!」と堂々と宣言しているようなもの。それとこれとは話が別なんです。もう少し大人になりましょう。
3.「強制された給食に対して支払う義務はない」という主張に対してどう対処すべきか?私が最も重要だと考えるポイントはココです。主張される親御さんの言い分としては「給食は要らないと言ったのに、無理やり食べさせられて料金を取られる、まるで押し売り」至極まっとうな言い分ではないでしょうか。この主張の裏には様々な背景が考えられますが、例えばこれが海外だと宗教上の理由も関係してきますので大問題に発展します。前述の2.のように法律の解釈を無理やり捻じ曲げた主張ではないだけに注意が必要です。

「お弁当」の選択肢が必須

この対応として学校側は「お弁当」という選択肢を用意すべきです。これからの多様性が求められる時代では、一方的な理由で「あなたも給食を食べるべき」「食べたんだったら払うべき」と強要することは大変危険な考え方です。逆に「お弁当」の選択肢を用意しなかった場合「強制的に給食を食べさせられた」と学校側が訴えられる時代がくると思います。

だから思い切って「給食クラス」と「お弁当クラス」をきれに分けてみませんか? そしてどちらの子供たちがより成長するのか?健康でいられるのか?チームワークが醸成されるのか?データを蓄積すると大変興味深いことになる気がします。この結果がまとまった時「給食要らない」という親御さんはいなくなるのではないでしょうか?

給食費問題は不要な争い

私は教育者でもなんでもなく、先生になった友人から聞いた話を基に書いているだけです。よって教育のプロの方から見れば無責任な素人の考えとお叱りを受けるかもしれません。しかし「払わない」と主張する家庭から給食費を徴収しなければならない先生方のことを想うと胸が苦しくてたまりません。子供は決して傷つけないよう細心の注意を払いながら、多様化する親御さんに対応しなければならない。どれだけ多くのストレスがかかっていることでしょう。

この給食費問題というのは長年問題視されてきてますが解決の道は見えず、むしろ悪化している気がします。ぜひ時代に適した制度にすることで、先生vs親という無駄な争いを無くしたい。それは子供の成長には不要な争いです。

最後に4.「まじめに払うと損」という考えについても一応言及しておくと、この方々は自ら主張することはせず②と③の陰に隠れておこぼれを狙っているだけですので。②③を減らせば必然的に姿を消すかと思われます。

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