重要かつ緊急な課題

国会中継の報道で「桜を見る会」やら「日本学術研究会」の議論がなされている姿を見るたびに、私は将来が不安になってしかたありません。もっと重要な課題があるはずなんですが、国民の目をそらすために与野党合作のお芝居をしているの?と疑いたくなります。その国会を裏で支えているのは日本を代表する超優秀な官僚のみなさんで膨大な仕事をこなしていらっしゃる。「ブラック企業並み」との噂も聞きますが、うまくいっていない気がします。

職場でのよくある事例

よくある職場の事例で考えると分かりやすいのかもしれません。「どんなに残業しても仕事がはかどらない、それどころか雪だるま式に増えていくばかり」よくあるセリフではないでしょうか。ひと昔前であれば「貧乏暇なし」という言葉がありました。(今もある?)そしてそれを気合で乗り切る熱血サラリーマンが美徳のように捉えられていましたが、現代ではこんなやり方は通用しません。たちまち「ブラック企業」というレッテルを貼られてしまいます。

前述のような場合、仕事のやり方の問題というよりも課題の整理整頓、優先順位付けが出来ていないケースが多いようです。私が過去に受けた問題解決の研修では次のような解決方法を教えて頂きました。
課題をまず以下の4つのカテゴリーに分類します。

重要度と緊急度
図1。重要度と緊急度のカテゴリー
  • カテゴリーA:重要緊急な課題
  • カテゴリーB:重要だが緊急ではない課題
  • カテゴリーC:緊急だが重要ではない課題
  • カテゴリーD:重要でも緊急でもない課題
        (イメージは図1参照)

Aを例えるなら、重要顧客で今現在発生している大きな問題です。全社一丸で取り組むべき最重要課題のため、ここへの言及は不要。Dも同様に言及不要です。ここでのポイントは「BとCどちらを優先させるか?」になります。ありがちなのは「Cに振り回されてBまで手が回らない」というケースではないでしょうか。Bを例えるなら、今は問題は顕在化していないが、早く手を打たないと大きな問題となる案件。又は将来に向けての研究開発などがBに該当します。Cの例えとしては「明日の部内報告会の準備」と仮定すると分かり易いかと思います。BとCどちらが重要でしょう? 誰が見てもBが重要なんですが、実際に現場で日々の業務に追われているとその冷静な判断が出来ません。「将来のことは一旦置いておき、目の前の火を消したい」誰もがそう思いCに時間を割いてしまう。しかもこの手の雑務はなぜだか無限に湧いてきて、そのうちBがあったことすら忘れてしまう。ひねくれた見方をすると「CはBを忘れさせてくれる(カモフラージュしてくれる)都合の良い存在」と考える人がいるかもしれません。

研修で学んだ結論としては「Cを切り捨てる」そして「Bに資源を集中させる」いわゆる「選択と集中」で、どこの企業でも取り組まれているかと思います。しかし「言うは易く行うは難し」なかなか浸透しないのが現実。なぜなら「Cを切り捨てる」という判断は一担当者には出来ないことだからです。

日本の国家としての事例

このカテゴリーを日本の課題に当てはめてみるとどうでしょう?
コロナ対策は間違いなくAですね。そして1年延期したオリンピック開催も重要かつ緊急課題です。近隣諸国との外交問題などもAに含まれているべきかと思います。ではB(重要だが緊急ではない)には何が含まれるか?これは個人による見解差が大きいかもしれませんが、人口減少問題、少子高齢化、年金制度、地球環境、エネルギー問題、先進技術開発、災害対策など例をあげるときりがないほど出てきます。これらは20年後50年後に大問題となる、いや今でも問題なんですが、このままだと将来の日本に大ダメージを与える問題となってきます。

冒頭で触れた「桜を見る会」や「日本学術研究会」はどのカテゴリーに入るのか?これはこれで問題だとは思うんですが、日本を代表する超優秀な方々がこの問題への対応に多くの時間を取られています。つまり政治家のみなさんはこの問題を「カテゴリーB」又は「カテゴリーA」に位置づけていらっしゃるのではないでしょうか?

日本国民を不安にさせないために、これらの課題は都合の良い存在なのかもしれませんね。

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