子供にマインクラフトをやらせるべき3つの理由

以前の記事で「小学生にゲームをやらせていいのか?」について記載しましたが、今回はその続編です。
我が家では2年ほど前から教育ツールとして「マインクラフト」(通称マイクラ)というゲームを活用しています。元々はスウェーデンのゲーム制作会社(Mojang)で開発されたソフトですが、2011年にリリースされて以来、世界中で大ヒットしたソフトです。私自身もマイクラにどっぷりはまり「これは子供にやらせるべき」と判断しました。そこで実際に私自身がプレイし、子供達にもやらせてみて実感した「マイクラをやらせるべき3つの理由」をご紹介します。

1.自分で目標を決めるようになる

マイクラの良さは無数に存在するのですが、最も大きな特徴(普通のゲームとの違い)は「与えられたストーリーや目標が無い」という部分です。
普通のゲームであれば制作会社が決めたストーリーが存在しており、それに沿って話を進めないと楽しめない仕様になっています。慣れてない人向けに操作方法を説明するチュートリアルなどもゲーム内に用意されていたりして、次に何をすればいいのか悩む必要はありません。

マインクラフトの世界

しかしマインクラフトを1度でもプレイされた方はお分かりかと思いますが、プレイを開始した直後、だだっぴろい草原にポツンと放り出され、何の説明もありません。コントローラーの使い方すら解説はなかったと記憶しています。
全て自分でやってみて体感しながら理解していくしかないんです。そして衝撃的なのが「何のために何をするのかは全て自分で決める」ということ。長年ゲームをやり続けた私にとって、これまでの常識を覆すような(かなり不親切な)仕様です。
この話を聞いただけでは「それ、なにが楽しいの?」と疑問に思われるかもしれません。
しかしこの感覚は初めてレゴブロックで遊んだ時の感動と似ています。未知の物に触れるワクワク感と表現するのが正しいでしょうか? 初めて昆虫に触れたファーブルもきっとこんな感覚だったに違いありません😁

子供の適応力はすばらしく、30分もすると操作にも慣れてきます。そして次にやりたいこと作りたいものをいろいろと考え始めます。安心して寝るための家がほしい、敵を倒すための強い武器がほしい、などなど。

親から指示されることもなく、楽しい要素を自ら発見し、次にやるべきことを決め積極的に行動していく。そんな我が子の姿を横で見ながら、たくましく成長したことを感じずにはいられませんでした。

2.ロードマップを描くようになる

例えば強い武器を手に入れたい場合、モンスターを倒してお金を貯め、武器屋で購入、これが普通のゲームです。しかしマインクラフトはそんな単純ではありません。自分で決めた目標を達成するためには、そのためのステップを思い描き、一歩づつクリアしていかなければなりません。事例として「鉄の武器を作るまでのステップ」を図にしています。

鉄の武器を作るまでのステップ

図にある鉄鉱石の入手、石炭の入手は初心者には決して簡単ではありません。マイクラ用語で「ブランチマイニング」と言いますが、暗いトンネル内をまさに暗中模索で地道に探し続ける作業です。正直言ってとてつもなくめんどくさい。

世の中には楽して得られる成果なんて一つも存在しません。高い目標に辿り着くためには小さな一歩を積み重ねるしかないんです。ビジネスの世界ではこれを「ロードマップ」(目標達成に向けた行程表)と呼び、社会に出ると必須の能力になります。

大きな目標を達成するため、又は大きな問題を解決するためには、すぐに取り組める小さなステップに分解し、一歩づつ上って行く。学生時代の勉強というのはまさにこれと同じで、大きな目標に向かって地道な努力を積み重ねているわけです。しかし多くの子供達は「この勉強なんの役に立つの?」と疑問に感じながら、大人からの指示で無理やり「やらされている」のではないでしょうか?
そんな子供たちに「今の勉強はブランチマイニングみたいなもの」「将来きっと役に立つ」そう気づかせてくれるきっかけになるかもしれません。

3.チームワークが醸成される

マイクラのもう一つの特徴は複数人(4人まで)が同時に協力してプレイできることです。息子にも必ず友人と2人で同時プレイさせるようにしています。制限時間は多くても2時間。

マインクラフト
マイクラに熱中する子供達


目標を定め、ロードマップを描き、地道な作業を続けていると、一人ではとても間に合わず、効率が良くないことに気づくようです。最初はバラバラの行動をとっていた二人ですが、何度かやらせているうちに「役割分担」するようになってきました。拠点を作る担当と食料を集める担当を分けたり、地下と地上で分担したり、どうすればより効率的かを子供同士で話し合いながら、ステップをクリアしていってます。そして友人の分までアイテムを集めておくという「相手を思いやる気持ち」も育まれているようです。時には意見がぶつかり、泣きながら私に助けを求めてくることもありますが、よほどのことがない限り大人が口を出すべきではありません。せっかくの成長の機会を大人が奪ってしまうことになるためです。

マインクラフトで学べる能力 まとめ

マインクラフトを通じて学ぶことが出来る3つの能力をまとめると

  1. 自ら目標を定めることが出来るようになる
  2. 目標達成に向けたステップ(ロードマップ)を描けるようになる
  3. そのステップをチームで協力/連携することで、効率的にクリアできるようになる

これはビジネススクールで学ぶ問題解決手法そのものですね。それを小学生の低学年で、誰の指図も受けることなく、勝手に学べてしまえるわけです。その成長を目の当たりにした私が一番驚いています。まるで人類の進化の過程を短時間に圧縮して見たような気分です。

こんな便利な教育ツールですから実際に授業に取り入れる小学校も増えているみたいです。(導入事例がワンダースクール様のサイトで紹介されています)

上記3つの能力以外にも学べることは多く

  • モノづくりの楽しさ/達成感を体験できる
  • クリエイティブな感性を養うことができる
  • 物体を立体で捉えることができるようになる
  • プログラミングの要素を学べる

などなど例を挙げるときりがありません。

最後に子供にプレイさせる際の注意点

この2年間、子供達がマイクラをプレイする様子をじっくり観察してきましたがいくつかの注意点があります。

  • 最初に時間を決めておく(長くても2時間)
  • 必ず複数名でプレイさせる(友達がベストですが家族でも可)
  • (友達とプレイする場合)気まずい雰囲気のまま終わらせない
  • 最後に親が達成状況を確認し、頑張ったことを褒める

(子供にゲームをやらせる際の一般的な注意点は以前の記事を参照下さい)

マイクラで育った子供達
将来には多くの人々を感動させるような新しい何かを生み出してくれるに違いありません。
その可能性の芽を摘んでしまわないことが大人の役割なんでしょうね。

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