ハムスターが教えてくれること

ハムスター
寝起きの「しろしろ」

我が家の一員だったハムスター(子供達がつけた名前は「しろしろ」)が昨年秋にお空へ旅立って行きました。2年弱というハムスターとしては短い生涯でしたが、近所の子供達も「ハムちゃんさわらせて~」と遊びに来てくれるほど人気者でした。人の手で触れすぎることはハムちゃんにとってはストレスとなってしまうため、本来であれば控えたほうがよいのですが、怖がらせない扱い方をきちんと教えたうえで、極力さわらせてあげるようにしていました。
この小さな生き物とのふれ合いが、私たち人間にかけがえのないものを教えて(与えて)くれるからです。

①かわいい見た目からくる癒し

ちょっとした動作やしぐさも愛らしい。まぁこれはハムスターに限ったことではなく、ペットと呼ばれる生き物に共通した特性ですね。あれこれ語ると「親バカ」と言われそうですので差し控えますが、ハムスターを飼育するほとんどの方がこれを目的にしているかと思います。

②相手を思いやる気持ち

これはハムちゃんを飼育し始めた頃の話ですが、ハムスターって鳴くことがほとんどなく、気持ちを表情に表すことも、しっぽを振ることもない。だから何を考えているのか非常に分かりにくい生き物です。エサを全く食べてくれなかったり、口コミで大人気のおもちゃに見向きもしないこともあります。飼育ケージの金網をガリガリかじり始めた時には「どうした!なにが起こった?!」と家族全員あせりました(笑)
ネットで調べてみるとどうもストレスを抱えているらしい。「この小さな生き物がストレス?!」と半信半疑になりながらも考えられる原因を1個づつ潰していくしかありません。「お部屋の中を散歩させよう」「おやつをコーンに変えてみよう」当時4歳だった息子がアイデアを出してくれます。藁(ワラ)にもすがる思いだった私はそのアイデアを次々と採用していく。
ハムちゃんにとって何がベストなのかを家族みんなで考え、調べ、日々奮闘するうちに、だんだんと分かるようになってくるんですよ、ハムちゃんの気持ちが。
「あぁこの子は家族の一員になったんだな」と感じた瞬間でした。

トイレでスッキリした後の「しろしろ」

③見返りを求めない無償の愛

ハムスターは人間に慣れることはあっても懐くことはありません。犬のようにしつけるなんて不可能です。(トイレの場所は覚えてくれます)だから飼い主の言うことなど聞きやしません。たまに機嫌の悪い時は平気で噛みついてきたりします。特に私の役割は掃除担当でしたから(奥様はエサ担当、子供はおやつ担当)ハムちゃんにとって私はじゃま者でしかないんですね。しかし手をかまれて悲しくなることはあっても決して頭にくることはありません。彼らには全く悪気が無いどころか、この小さな世界(ケージの中)で一生懸命に生きようとしているだけなんです。そこに人間の価値観を持ち込み、押し付けようとすることのほうが間違いです。そのひたむきな姿を見ていると応援せずにはいられなくなる。

相手を思いやるうちに「情が芽生え」そこからなんの見返りも求めない「無償の愛」へと昇華していく状態です。

④命の尊さ、はかなさ

ハムスターを手の中に入れた時、ブルブルと小刻みに震えている時があります。少しでも強く握ると簡単に命を奪ってしまう。とても弱い生き物です。

ペットの寿命(環境省)

代表的なペットの寿命を表にしていますが、他のペットと比べてハムスターの一生はとても短い。(出展:環境省 捨てず増やさず飼うなら一生)家族の一員として無償の愛を捧げ続けてきたハムちゃんが、3年という短い期間で旅立ってしまうのはとても悲しいことです。
我が家のハムちゃんが旅立った日はこれまでの感謝の気持ちを伝え、家族全員で見送りました。ケージを置いていた場所には今でも元気だったころの写真が飾られています。それから半年間は次の子をお迎えする気にもなりませんでした。

この世に生を受けたものは、いつか必ず終わりを迎えます。多少その長さに違いはありますが、みんな同じ。その命はもろく、はかなく、弱い。
だから生ある命は尊くて、だからその命を大切にする。この単純だけど深く、人間にとって最も大切な感情。これは「悟り」とも言えるのでしょうか。私などがとても文章で伝えきれるものではなく、ましてや学校で学べるものでもありません。

以前の記事でも述べましたが子供の心を育むには10歳以下の低学年時が勝負です。
以前の記事のリンクはこちら
そう考えると犬やネコでは寿命が長すぎて不向きであり、ハムスターの3年という寿命の短さが最適なのかもしれません。子供が小学生の間に2サイクル回すことが出来て「命の尊さ、はかなさ」を十二分に実体験で教えることが可能となります。

ハムスターが教えてくれること「まとめ」

ここまでにご紹介した4つをまとめると

  1. かわいい見た目からくる癒し
  2. 相手を思いやる気持ち
  3. 見返りを求めない「無償の愛」
  4. 命の尊さ、はかなさという「悟りの境地」

これは人間の世界でも全く同じことが言えます。
最初は見た目にひかれ、そのうちに相手を思うようになり、次第に情が芽生えていく。
飾られたハムちゃんの写真を見ていて、ふと思うんです。「人間はなぜ、人間のことをもっと大切にしないんだろう」
大人の世界にどっぷり浸かった私でさえこのような感情を抱くわけですから、小学生のピュアな心は何を感じてどう受け止めるのでしょう? その効果は計り知れません。
しかし一つだけ言えることは「この小さな生き物とのふれ合いが、私たち人間にかけがえのないものを教えてくれる
そしてこれは私の願望も含めて「いじめを根絶するポテンシャルを秘めている」と感じています。
「子供のいじめを無くす方法」の記事はこちら

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