えんとつ町のプペルに込められたもの

プペル

先日家族で「えんとつ町のプペル」を観てきました。ゴミ人間と友達になる映画とのことで「ゴミにも敬意を払う」と決めた我が家にはうってつけの物語じゃあないですか。「家族みんなで環境問題を考えよう」そのくらいのノリで観てきましたが見事にだまされました(良い意味で)。まさかこの年で、アニメで、しかも映画館で、あれほど号泣したのは始めてで。終わった時にはハンカチ全体が濡れている状態。これは大人に向けた映画だったんですね。

えんとつ町は今の日本と同じ

えんとつ町は常に分厚い煙で覆われ、星の存在を否定する世界、夢を持つことがタブー視された世界。少し他人と違う行動をすると「異端」とのレッテルを貼られて排除される、人が人を監視する世界。
これは今の日本と全く同じですね。なので日本の状況に対して不満や違和感を持っている人の心にはストレートに突き刺さる内容です。

今の日本の状況(事実編)

消えた年金

今の日本が置かれている状況(事実)を簡単にまとめると、加速する少子高齢化、もらえる年金が減っていく。非正規雇用者が増え、核家族化が進み孤独死する人が増加。生まれてくる子供の数も減っていますので人口が急激に減っていき、30年後には1億人を下回ることが分かっています。GDPは世界第3位の経済大国で、世帯当りの資産も常に上位なのに、幸福度ランキングでは世界62位で年々下がっている状態。この事実から言えることは、経済的には間違いなく裕福なのに、国民の心は豊かとは言えず、将来に対する強い不安で覆われているのではないでしょうか。

今の日本の状況(イメージ編)

ネットいじめ

ここからは私の印象(イメージ)です。マスコミは常に誰かを批判し、不正をあばくことに全力を注がれています。その報道に一般の方もあおられて、正義の鉄槌を下すかのごとくバッシングに加わる。コミュニケーションツールが発達したおかげで知らない人を無責任に、簡単に批判できてしまう。大人は夢を語らないどころか、幸せそうにすることに罪悪感を覚えるようになり、そのうち不幸であることを自慢するようになりました。なにをやっても「ハラスメント」と呼ばれ、人と心を通わせるなんて怖くてとてもできない。息苦しくて窮屈な世界。
マイナス面だけにフォーカスして書きましたが、このようなイメージを持っている方には「えんとつ町は日本と同じ」そして「主人公(ルビッチ)は自分と同じ状況にある」だから素直に共感できてしまうんですね。

こんな日本に誰がした?

ではいったいなぜこんな日本になってしまったんでしょう? 政治の失策?それもあるかもしれません。一部の人間から幸せを搾取されている? そういう人がいるのかもしれません。しかし誰かのせいにして、それをあばいて批判して、それで問題解決しますかね?(これについては過去の記事「敵はどこにいる?」参照)
えんとつ町プペルの原作者である西野さんは、これを「魔女狩り」と表現されました。魔女狩りの後はどうなるか? 別の誰かにターゲットが移るだけです。そして西野さんは更にこうも言われました「こんな日本のまま、子供たちに引き渡すことはできない」この言葉に共感し、感動した私は家に帰ってから再び号泣してしまいました。これは私がこのブログを始めた動機でもあるからです。

どうすれば日本が良くなるか

ではこの息苦しくて窮屈な日本を変えるためにはなにをすればいいのでしょう? 全員がえんとつ町プペルを観て、私のブログを読めば世界は変わる。と言いたいところですが、もっとシンプルで具体的で、誰にでもすぐにできることが以下の3つです。

  1. ネガティブな話に耳を傾けない
  2. ポジティブなことに目を向ける
  3. 「ありがとう」を言葉にしよう

については、誰かを批判するだけのお昼の情報番組や週刊誌を見ない友人からの愚痴は相づちだけで聞き流す。(本気の相談の場合は別)
については、1日1個 なんでもいいんで善いことを見つけて誰かに話す。友人でも家族でも構いません。できればメールではなく直接伝えてみましょう。例えば「夕日がとってもきれいだったね」これだけです。
については今更ですね。例えば奥様(旦那様)に毎日伝えているでしょうか? 「言わなくとも伝わっている」そうかもしれませんが、これは言葉にすることによって(自分の)幸せフェロモンが抽出されると(私は)思っています。

自信を持って子供に託せる日本にするために。
ルビッチのような一人のヒーローの出現を待つのではなく。
私たち一人ひとりが変わるべき時が来たんでしょうね。

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