人口減少する日本 今なにをすべきか?

息子には日本に住んでいてほしくない、そしてできれば私自身も将来は海外で過ごしたいと何度か記載していますが、そう考える理由の1つに日本が抱える「人口減少問題」があります。人口減少と言っても保育園は足りないし、どこに行っても大混雑、これで本当に減少してるの?って感じですよね。全く感覚と合いません。

この記事は日本が抱える大きな課題である「人口減少問題」について、その深刻さを多くの方に知ってもらい、今我々は何をすべきか?考えて頂くことを目的としています。

なぜ人口が減るのか?

赤ちゃん

人口減少の最も大きな理由は生まれてくる子供の数が減っているからですが、2019年の日本の合計特殊出生率(以下、出生率)は1.36。これは一人の女性が平均1.36人の子供を産んでいることを示しています。
私が生まれた1960年代の出生率は2.0を超えていました。更に第一次ベビーブームと呼ばれる1940年代は出生率4.3という高い数字だったんですが、今はずいぶんと子供の数が減ってしまいました。人口を維持するための出生率は2.06以上が必要と言われてますので、このままなにもせず現在の出生率が続けば日本の人口は激減していきます。

出生率が低下する要因は2つに分けられ
①結婚した女性が子供を産む人数が減少した。②未婚の(又は晩婚の)女性/男性が増えた。
近年では②が主要因となっています。
なぜ結婚しない人が増えたのか?については別の機会で記載したいと思っていますが、これまで日本政府がとってきた少子化対策は主に「子育て支援」がメインであり、主要因に対して少し的外れなことをやっていると言えます。更にはその子育て支援についても他の先進国と比較するとどうしても見劣りしてしまう。これでもGDPは世界第3位の経済大国なんですが😥

どのくらい減少するのか?

2020年時点の世界人口は77億人ですが、インド、アフリカを中心に増え続けており、2050年には100億人近くなると言われています。
しかし日本の状況は全くの逆。2010年をピークに人口は減り続けており、2050年代には1億人を下回ることが分かっています。更に2075年には8千万人を下回る予測です。
2021年時点ではピークを少し過ぎたくらいで、人口減少を実感できるレベルではないですね。

人口推移
出展:総務省統計局

注目なのは生産年齢と言われる15~65歳の人口が減少し、65歳以上が約4割を占めるという点。
稼いでくれる人が減り養われる老人が増加する、まさに「老人国家」となるわけです。
この「人口減少超高齢化」の状況は世界に先がけ日本がトップランナーであり、日本の動向を世界中が注目しています。

人口減少がもらたす影響は?

借金

労働人口が減る⇒GDPが減る⇒税収が減る。単純に考えるとこうなります。 私は人口が減ることそれ自体は問題とは考えていませんが、それに伴う財務状況の悪化は深刻なダメージとなります。

昔「借金時計」というものが流行したように、現在の日本は毎年多額の借金をしながら成り立っています。家計に例えると、毎月20万円の給料に対して30万円の消費をし続けている状態。足りない10万円は借金です。しかも毎月続いています。(実際には60兆円の収入に対して90兆円の予算を毎年使っている)そこから今後は更に手取り(税収)が減少することが分かっているわけですから、当然家計を切り詰めなければなりません。「日本の借金は日本の銀行が負担しているんで破綻はしない」とか「10年前から言われ続けてなにも起きていない」とのご意見はごもっともです。しかしこのまま放置すればいつかは必ず限界がきます。人口減少というのは地球環境と同じで、気づかないうちに徐々にダメージを受け続け、いつの間にか手遅れとなるような顕在化しにくい問題なんです。

最悪の事態を回避するためには身の丈に合った生活水準にしなければいけません。つまり税と支出削減が同時にやってくることを覚悟しておくべきです。
日本の財政については「財務省のサイト」に分かり易く記載されています。

私が最も恐れているのは日本企業(グローバル企業)の海外流出です。
「人口減少超高齢化」=パイが小さく消費意欲も低い、更に労働者がいない。企業が国内に残るメリットはどんどん小さくなる。「沈没しそうな船からは早いとこ避難すべき」これは言いすぎかもしれませんが、グローバル競争で生き残るために海外流出は仕方のないことだと思います。
日本企業の海外進出について「TOMAコンサルタンツ様のサイト」に記載されています。

最近芸能界においても東南アジアを拠点とする方の話を聞きますね。鋭い嗅覚で時代の変化を嗅ぎ分けていらっしゃる。世界的投資家のジム・ロジャースさんも2007年より家族でシンガポールに移住されてます。昔は「アメリカン・ドリーム」に皆あこがれました。その後「チャイニーズ・ドリーム」という言葉も一時期流行りましたが、今後は間違いなくインドを含めた「アジアン・ドリーム」に移っていくと私は思っています。残念ながらそのアジアに日本は含まれていません。

本格的に人口が減少し始めるのは2030年代です、それを超えると2009年のギリシャの二の舞になると言っても過言ではありません。人口減少がまだ本格化していない今のうちになんとかしておかないと、立ち直るチャンスを失っていきます。現在の日本は既に待ったなしの崖っぷち状態と言えるのではないでしょうか。

今なにをすべきか?

「人口減少問題」は今の日本にとって、どんな課題よりも最優先されるべき案件です。
増税と支出削減というマイナス面にばかり目が行きがちですが、「収入を増やす」というポジティブな面に注視すべきではにでしょうか。
そのための方策として考えられるのは

  1. もっと女性に活躍して頂く
  2. 海外からの働き手を増やす
  3. ロボット/AIを活用して一人当たりの生産性を上げる
お年寄りの会議

などがありますが、これではとても間に合いません。
最も効果的な対策は、既に各方面で取り組まれていますが、現在64歳までとなっている生産年齢を75歳まで引き上げることです。つまりもっとお年寄りに働いて頂く。公的資金の受給側が供給側に回るわけですからその効果は絶大です。既に知識と経験はあるわけですから社会人としての新人教育など不要(専門業務の教育は必要)で即戦力。 日本が最悪の事態を回避するためには、もうお年寄りに頼る道しか残されていないんです。

先日オリンピック委員会(JOC)会長を辞任された森さんのことを「老害」と呼んで非難している方がいました。80歳を超えても仕事をし、税金を納めてくれる方に対して、我々日本人は「排除」という選択をしたわけです。貴重な労働力が失われ、養われる方が1名増えました。これが世界のお手本となる日本が出した答えでしょうか?

今の日本に求められているのは「排除」ではなく「融和」です。お年寄りの間違いも許してあげる「寛容な心」です。そしてその間違いを正してあげる「しくみ」が早急に必要だと思います。どこの企業でも若い社員の教育プログラムは充実していますが、お年寄り用は不十分ではないでしょうか? 働くお年寄りと教える教官用の2つのプログラムが必要です。

まとめ

日本が抱える最も大きな課題である「人口減少問題」について、日本国内ではあまり議論がなされず、その深刻さが理解されていないように感じます。
これからの日本に必要なのは「お年寄り」「女性」「外国人」「ロボット」などを異質なものと捉えるのではなく、共に働く仲間として受け入れる「寛容な心」ではないでしょうか。その中でもまず早急に取り組むべきは「お年寄りの活用」です。これが出来なければ日本の未来はありません。

「老いる」ことは「美しさ」だと昨年ある方が言われてました。
成熟した理想の国」「世界に誇れる美しい国」 そんな日本にしていきましょう。

なぜ結婚しない人が増えたのか?についての記事はコチラ

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