脱CO2(カーボンニュートラル)とは?

先日発表された2021年ノーベル物理学賞はCO2による地球温暖化への影響をシュミレーションされた真鍋さんが受賞されました。同じ日本人として誇らしい限りです。
そして現在イギリスでは気候変動に関する国連の会議「COP26」が開催されており、改めて地球環境問題に注目が集まりそうです。

ちょうどよいタイミングですのでここ最近の私の考えの変化を述べておこうと思います。

これまでの認識

私はかなり昔から地球環境保護推進派であり、とても関心を持ってきました。特に昨年からはSDGs検定へのチャレンジを通じて様々な書籍や文献に目を通し知識を深めてきました。
それらの文献のほとんどが「我々人類の手によって地球が汚染されている」基本的にこれを前提に書かれています。幼い頃から水俣病やイタイイタイ病などの教育を受けてきた我々にとって、その前提は容易に受け入れられるものでした。だから人類は早急にこれまでの行いを改めなければならない。当ブログも一貫してこのトーンで記載してきました。

しかしここ最近になり「人類が放出したCO2による地球温暖化説」については「?」のスタンスに変わってしまいました。
地球温暖化には「脅威論派(賛成派)」と「懐疑派(否定派)」がいて、イメージ的な割合は100:1といったところでしょうか。脅威論派が圧倒的多数にも関わらず、私の立場はその中間に変わったと言えます。その原因は「カーボンニュートラル」という考え方に疑問を持ってしまったためです。

地球環境問題とは?

地球環境問題は以下3種類に分類されると私は考えています。

  1. 土壌汚染:工場から出る有害物質、ゴミの投棄、森林伐採など
  2. 海洋汚染:有害物質が土壌から海に流出、埋め立てなど
  3. 大気汚染:有毒ガスを大気に放出

これらの人類の手による汚染が原因で、地球に生きる動植物や自然環境が破壊されることを「地球環境問題」と捉えています。30年ほど前までは人体に悪影響を及ぼすものが主な対象であり、様々な法律や規制で改善されてきました。大気汚染に関してはNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)などがその代表例ですが、まさか二酸化炭素が悪者にされる日が来るとは想像もしていませんでした。

地球温暖化説を簡単に解説すると以下の流れです。

  • 人類が放出したCO2により、過去100年間で既に0.85℃ 世界の平均気温が上昇(地球温暖化)している
  • 地球温暖化により山火事が発生しやすくなっている。海水温も上昇したことで台風や異常気象が増加している
  • 南極の氷が解け、海面が上昇し、沿岸部が水没する
  • そして海水や氷山に溶けていた大量のCO2が更に放出される

この負のスパイラルを打破するために必要なのが「カーボンニュートラル」。2030年までになんとかしなければ取り返しがつかないことになってしまう。

世界の年平均気温の将来変化 出展:環境省

カーボンニュートラルに対する違和感

ここ最近毎日のように耳にする「カーボンニュートラル」ですが、簡単に言うとCO2排出量を最小限に抑えつつ排出したCO2は全て回収することでプラスマイナスゼロにするという考え方。CO2回収のための技術開発が世界中で(本気で)進められています。しかし少し冷静になりませんか? そもそも人間というのは酸素を吸って、二酸化炭素(CO2)を排出する生き物なんですよ? 「CO2排出=悪」という考えは人間の存在自体を否定する事に他なりません。

石炭火力発電やガソリンエンジンを強く非難する方々に私は問いたい。「あなた自身のカーボンニュートラルは達成してらっしゃるんですか?」CO2排出を減らすため、走ることはもちろん、歩くことも禁止しているんですか? 吐き出す息は全て回収してらっしゃるんでしょうか?まさかそのまま大気中に放出なんてやってないですよね?
これは極端で意地悪な質問だったかもしれません。しかし物事の成否を突き詰める時、究極を考えることはとても有効な手段です。そこから見えてくる答えは一つ、所詮人間にカーボンニュートラルなど不可能だということ。

電気自動車に対する違和感

電気自動車はCO2を排出しない、だからエコだと言う方がいます。実際欧州や北米では電気自動車がよく売れているようです。しかしこれもちょっと待って下さい。その車が使用する電気は100%再エネ由来だと保証できますか? そのバッテリーの製造工程でどれだけのCO2が排出されてきたか理解されているでしょうか? 北米で電気自動車専門メーカーであるT社の時価総額が100兆円を超え、あのフェイスブックを抜いたそうです。電気自動車は人体に害を及ぼすNOx(窒素酸化物)を出さず、また時代の流れは電動化ですから人気が出て当然なんですが、イメージ先行の勘違いバブルが起きている気がしてなりません。

CO2による地球温暖化に対する違和感

過去100年の間に世界の平均気温は約0.85℃上昇したと言われています。そしてこのまま放置すれば更なる気温上昇を招き想像を絶する災害が頻繁に発生することになる。これが地球温暖化「脅威論派」が主張するポイントですが、私はこの主張には賛成の立場です。平均気温が上昇しているのは事実ですし、それが今後も続くと予測することは至極当然。それによって自然災害が増える可能性は高いと思っています。

しかし私の疑問は、その温度上昇は本当に人類が放出したCO2が原因なのか?この部分です。
地球誕生46億年の歴史において、人類の原形が誕生したのはたかが400万年前、グラフで見て頂くと一目瞭然、人類なんて見えないくらいちっぽけな存在なんです。ましてや産業革命でCO2を排出するようになったのはつい最近の出来事。その人類が放出するCO2によって取り返しがつかないくらいのダメージを地球が受けてしまっているのか?誰もが当然抱く疑問だと思います。

これについて様々な文献を確認しましたが、中央大学 名誉教授 深井有 (ふかい ゆう)氏が講演された記事が最も分かり易かったので紹介します。

この記事によると地球は10万年ごとに氷河期と温暖期を繰り返しており、その気温変化は10℃以上。現在は温暖期の後半にあたるため、例え人類が存在していなかったとしても温暖化は起きている。
またCO2濃度上昇と気温上昇の関係を長期スパンで確認すると、気温上昇が先に起こり、それから800年遅れてCO2濃度が上昇している。つまりCO2濃度が気温に影響を与えているのではなく、気温上昇が原因でCO2が増えていることが分かる。
そしてこの10万年ごとに発生する温度変化は太陽活動=宇宙線量の変化によく似ている。
また深井教授は人為的CO2要因による温度変化を否定しているわけではない、という点も私が共感したポイントです。

最近拝読した「脱炭素は嘘だらけ」杉山大志(著)ではタイトルの通りCO2脅威論を完全否定されており、その根拠にはいささか疑問を感じましたが、これだけのことを述べられた著者にエールを贈りたいと思います。今のご時世、脱炭素に否定的な意見は異端扱いを受けてタブー視されます。こんな私ですら職場で自分の考えを自由に述べることはできません。会社の方針に背くことになりますから。しかし著者は声を上げられた。異端者扱いを受けることよりも、自分に嘘をつくことができなかったんだと思います。

異端者が排除される世界については過去の記事「えんとつ町プペルに込められたもの」を参照下さい。

まとめ

地球温暖化脅威論に対する私の個人的な違和感を述べましたが、脅威論を否定するものでは決してありません。
長い歴史を持つ地球に対して最近誕生したばかりの人類がどれだけ理解しているのか? 地球のことを語るには時期尚早であり、もっともっと研究が必要なんだと思います。

人類が放出したCO2が原因で地球が取り返しのつかないことになってしまう可能性はどれくらいなのか?現在の私のイメージを例えるならば。
宇宙人が攻めてくるかもしれない確率より高く、南海トラフ巨大地震が発生する可能性よりも低い。
決して楽観視できない確率ですのでいざという時の構えはとっておくべきです。
今我々に必要なのは、特定の偏った主張に踊らされるのではなく、また真逆の意見を異端と決めつけ排除することでもなく、幅広い意見に耳を傾け冷静な判断をしていくことではないでしょうか。

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